ミニアルバム「ごきげんよう」ライナーノーツ    

 ♪「光里の楽園」
   ドライブ中に聴きたくなる軽やかな疾走感。
これからレインボーブリッジを渡ろうかという期待感が広がるようなこの曲は、少女が幸福を捜し求める希望をうたっている。
そのさまよう不安感が都会的な疾走感に不思議とマッチし、全体的にミステリアスなダイナミズムをもたらす。

 ♪「Ti*ra*ra〜月夜の輪舞曲」
         オリエンタルなムードから始まるこの曲は、中盤から児童番組の「お遊戯のうた」などを思わせる愛嬌のある曲調に変化して驚かせる。月の光の魔法で、鳥や花たちと戯れるロンドは綾依夏子本来の可愛らしさに満ちているといえるだろう。

 ♪「ごきげんよう」
   語りかけてくるような歌詞で展開され、曲調も明るく淑やか――でありながら、そこはかとなく、おてんばなお嬢様を感じさせる。綾依夏子が得意とするキャラクターソングは、今回も健在だったということか。
小憎らしいお嬢様のキャラクターイメージが自然と浮かび上がってくる、楽しい曲だ。

 ♪「祈り」
   ボイスドラマ公演「日巫女伝」の主題歌として制作され、アニメの主題歌としても通用するほどの高いクォリティーとなっている。実際にゲームなどのオープニングで、この曲が流れてきても違和感はない。
アクション性の高まりと、タメをつくるメリハリのリズムが効いていて、非常に完成度が高いといえるだろう。
綾依夏子の実力を示した、真骨頂ともいえる作品である。

 ♪「夢のあしあと」
   ファンタスティックな始まりと、メランコリックな歌詞で綴られる寂しげな曲調は、やがて希望に向かって優しく温かく励ましを受ける。幼い頃に夕陽で染まった土手を独り歩いているような光景を思い出させたあとに、誰かに見守られているような「ぬくもり」が伝わってくる。
綾依夏子の曲づくりは、基本的に「祈り」のようなアクション性の高いと曲と対極的に、このメルヘンチックな歌においても才気を現しているといえるだろう。
おそらく少年を主人公にした歌を作れば、ずば抜けたものを作るのではないだろうかと、筆者は密かに期待している。


◆ライナーノーツ筆者について
 
工藤治 先生

奈良県出身。7月25日生まれ、獅子座、O型
フリーライターとして、アニメ・コミック・ゲームなどのノベライズを担当。
そのほとんどがメジャーな人気作品やヒット作品。

劇団ボイスウィザード代表として、 2005年に声優たちによる朗読劇を4作品プロデュース。
それらの脚本と演出(3作品のみ)も同時に手がける。

 ◆劇団ボイスウィザード
 ◆工藤治の創作日記
  ●小説
『恐竜拳士リュウコ』 『仮免巫女トモコ1〜2』 『ハーメルンのバイオリン弾き1〜3』 『恋愛候補生1〜2』 『マリーのアトリエ』 『エリーのアトリエ1〜2』 『ぽけかの〜初恋のシンフォニー〜』 『リリーのアトリエ』 『ユーディーのアトリエ』 『ティルズ・オブ・ザ・ワールド なりきりダンジョン2』 『モエかん』 『バテン・カイトス〜真実の破壊と約束の嘘〜』 『フタコイ』
●アニメ脚本
『万能文化猫娘DASH』 『恋愛候補生』
●まんが原作
『あやかし歌姫かるた』
●ドラマCD脚本
『ラジオドラマ 恋愛候補生』 『エリーのアトリエ1〜2』 『あやかし歌姫かるた外伝 鬼神の唄』 『モエかん〜メイド日記〜』

その他多数

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